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消費者保護について

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最近はやりの格安通信を謳ったMVNO業者の広告を見ると、料金の支払い方法をクレジットカードのみとしている業者ばかりです。インターネットのプロバイダーなども最近はクレジットカード決済のみというところが多くなっています。 クレジット会社を通すことで企業の利益にもなり、万が一のとりっぱぐれもない、またコスト面から決済方法を複数にしたくないといった理由があるかと思いますが、通信という公共のインフラを扱う事業内容と、消費者の公平性を担保するという観点から、こうした制限を通信事業者がもうけることは、不当に消費者を差別していることにならないでしょうか? 通信の利益は全ての消費者にその機会が保証されるべきものであり、まして費用面において優位であることを喧伝しているならなおさら、機会均等が保証されなければならないと思います。 決済方法がクレジットカードに限定される問題点は、①クレジット会社は審査基準を公開していないので消費者はカードの発行を保証されない ②いわゆる金融事故歴のある人に再度クレジットカードの発行がされる保証がない ③結果的に消費者の銀行口座から引き落とされるだけなのにわざわざクレジット会社を通すのは企業の利益論理でしかない ④クレジット審査のために必要とされる個人の資産などの個人情報の提供を拒否するという個人の権利を侵害している などの点が挙げられると思います。 最大の問題は、消費者が過去に事故歴があった場合、たとえ現在は継続的な収入があったとしても、クレジット会社の審査が通る保証がないという点でしょう。また通常の消費契約においてクレジット審査のような事前の審査も、個人情報の提供も必要ないものですから、個人情報保護の観点からも不自然だと思われます。 もし携帯代金の滞納をわずかにしただけで事故歴がつき、クレジットカード審査に通らないということが果たして健全な消費生活と言えるでしょうか? クレジット会社の審査というブラックボックス自体も大きな問題ですが、消費者が自由意思で審査を受けるのは自由です。 しかし、個人の自由意思を否定した消費契約を結ばせようとするのは問題があると思われます。 本来、クレジット会社による恣意的で非公開の審査基準を利用し、自己の個人情報を提供するか否かについては個人の自由意思に基づく必要があり、公共インフラである通信契約において強制的に課されるべきものではないかと思います。 サービスの利用にクレジットカード決済のみを強制することは基本的には消費者の権利を損ない、自由な消費生活を制限するものであると考えられます。 消費者契約法の概念に照らしてみても問題があるように感じますがどうお考えになられますか?

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